いつものお茶ができるまでに使われる機械にも、変わってきた道のりがあります。丸八製茶場の沿革には砂炒りの味を守ろうとした工夫が、茶の火入れ機の報告には熱を組み合わせる仕組みが残っています。何を残し、何を変えようとしたのか。二つの記録を読んでみます。
砂炒りの味を保ち、砂の混入を避ける
丸八製茶場の沿革では、昭和40年代、食品の安全性への関心が高まる中で、砂炒りの味を保ちながら、砂が混入しない焙煎方法を探ったとされています。
砂炒りの味は残し、砂が入る可能性は減らしたい。その両方を目指したことが、焙じ方を見直す理由として記されています。
遠赤外線と熱風を、一つの機械に
1988年の日本茶業学会の報告には、静岡機械製作所が開発した遠赤外線の火入れ機が登場します。トラフコンベヤーの上側に遠赤外線ヒーターを置き、下からは熱風を送る仕組みです。
この報告が扱っているのは、緑茶の仕上げの火入れで、ほうじ茶の製造試験ではありません。一台の中で遠赤外線と熱風を組み合わせる仕組みに、茶へ熱を届ける工夫が見えます。
記録の年と、技術が生まれた年
1988年は報告が発表された年で、開発年や発売年を示すものではありません。
砂の混入を避けながら味を保つ工夫と、二つの熱を使う機械。それぞれの記録にある理由や仕組みを読むと、お茶を作る道具にも、人が考え続けてきた時間を感じます。
